祭祀 (さいし)
神や祖先を祭ること。祭祀財産とは墓、仏壇、神棚などのこと。遺産相続の際に控除される。祭祀主宰者とは墓などの祭祀財産を管理したり、葬儀の喪主を
務めるなど祭祀を行う者のこと。
斎主 (さいしゅ)
神式の葬儀において中心になる神官のこと。
斎場 (さいじょう)
葬儀 告別式などの儀式専用の式場。
祭壇 (さいだん)
葬儀用の装飾壇のこと。仏式で主として使用される上部が宮型、寺院建築風の装飾物は昔の葬列で用いた輿(柩を運ぶ道具)が変形したもの。現在では葬儀式の法要・拝礼のための表現装置という意味があり、後者の比重が大きくなっている。近年では生花で装飾する場合が多い。
逆さごと (さかさごと)
通常の逆に行なう、逆さごとというものが行なわれる。例えば死者の衣装(帷子)を左前に着せる。枕元に屏風を逆さに立てる逆さ屏風。死者のふとんを天地逆さにする逆さ布団といった作法、習俗のこと。
逆さ水 (さかさみず)
湯灌(ゆかん)のときに使う温水。水に湯を加えて適温にする。
散骨 (さんこつ)
遺骨を粉状にして海や山などにまく儀礼。海洋葬や樹木葬などがこれにあたる。遺族に経済的な負担をかけたくないという考えの方が、希望することが多い傾向にある。
三方 (さんぽう)
神仏に物を供えるとき用いる台。前・左・右の三方に刳形(ひながた)の穴を開けた台をつけたもの。
仕上げ (しあげ)
特に関西で葬儀後に関係者を慰労し、その費の支払いをすること。葬儀後の会食。関東では精進落しともいう。
寺院境内墓地 (じいんけいだいぼち)
宗教法人の経営する墓地で、当該の檀信徒・信者の死者祭祀のために供されている墓地。檀信徒などの死者祭祀のための施設であるから寺院の宗教施設の一部という位置づけをしている。当該宗教法人の檀信徒以外は使用できないのが原則。時として宗教法人の事業型墓地との境界線が明確でないケースも見られる。
死穢 (しえ)
死の穢れのこと。古代・中世において死は恐怖の対象と見られ、死は伝染すると信じられた。死体、それと接する遺族は死穢に染まっていると考えられ、清められるべきものと考えられた。
式辞 (しきじ)
式で述べる挨拶のうち、特に主催者側を代表して行う挨拶のこと。社葬などでは、葬儀委員長が式の中心で行う挨拶のこと。
樒 (しきみ)
シキミ科の常緑小高木。全体に香気があり、樒を供えることはお香を焚くのと同じ意味を持つ。
死後硬直 (しごこうちょく)
筋肉が硬化して関節が動かなくなる現象。死後2時間くらいで顎関節に現れる。順次全身に及び、6~8時間で手足に認められる。8~10時間までは筋肉に力を加えると軟らかくなるが、また硬直する。およそ20時間後が最も硬直が強い。その後、腐敗の進行とともに硬直が解けていく。
死後の処置 (しごのしょち) 死の判定直後に行われる遺体に対する清浄、傷口などの処置、衛生的処置、
着替え、死化粧などをいう。清拭(せいしき)ともいわれる。病院では看護師などの医療関係者の手で行われ、在宅死の場合は訪問看護師、あるいは葬祭従事者が行う。
司祭 (しさい) カトリックの神父のこと。典礼を司る。
四十九日 (しじゅうくにち)
仏教では命日を含め49日間を中陰と言い、死者の弔いでは、極めて重要な時期として位置づけている。死去した日を入れて、7日ごとに法事を行う。7日目が初七日(しょなのか)、14日目が二七日(ふたなのか)、21日目が三七日(みつなのか)28日目が四七日(よなのか)、35日目が五七日(いつなのか)、42日目が六七日(むつなのか)最後の49日目が七七日(しちしちひ)といい、満中陰(まんちゅういん)となる。この49日間を忌中(きちゅう)といい、遺族は身を慎んで死者の弔いに専念すべきとされる。
自然葬 (しぜんそう)
墓でなく海や山などに遺灰を還すことにより、自然の大きな循環の中に回帰していこうとする葬送の方法。
死体検案書 (したいけんあんしょ)
診察していた医者がいない、あるいは犯罪死・災害死などの異常死に際して警察医(監察医)が死体を検案し発行する証明書。
死化粧 (しにげしょう)
死後、遺体に対して顔を整え、髭そりや口紅などで化粧を施すこと。
死斑 (しはん)
心臓が停止し血流が止まると血管内の血液は下部に集まる。下になった皮下の静脈に溜まった血液の色が、皮膚をとおして見えるのが死斑。死後30分程度で点状の斑点が出現、2~3時間でこれが融合、20時間以上経過すると
死斑は固定する。
死装束 (しにしょうぞく)
死者に着せる衣装のことで、仏式では経帷子、神式では白い小袖を着せるのが一般的。故人が生前に愛用していた衣服を着せることもある。
死に水 (しにみず)
死に際、又は亡くなったばかりの死者の口に、人生最後の水をふくませる儀式。
偲ぶ会 (しのぶかい)
本葬または告別式の代わりにお別れ会のような形で行う会。一般的にホテルなどを利用し、参列者は平服を着用する場合が多い。
死亡広告 (しぼうこうこく)
葬儀告別式の案内を新聞に掲載すること。死亡記事が無料なのに対し、死亡広告は有料。
死亡診断書 (しぼうしんだんしょ)
医師が発行する、死亡を確認する書類。これを死亡届と合わせて役所に提出すると、火葬許可証が発行される。
死亡届 (しぼうとどけ)
人が死亡した時、戸籍を抹消するために、死亡診断書または死体検案書をつけて役所に届け出すること。国内で死亡したときは7日以内、国外で死亡したときには3ヶ月以内に提出する。届出先は死亡者本人の本籍地、届出人の現住所地または死亡地のいずれかの市区町村。
市民葬 (しみんそう)
各自治体で市民を対象に提供している葬儀。
社葬 (しゃそう) 企業が主催して行う葬儀。遺族が費用を負担して行う名目的社葬もある。
実質的な社葬の場合、取締役会を開き社葬とすることを議決し議事録に残す。
この場合、社葬に要した費用は経費として認められる。但し、入院費、戒名に対するお布施、火葬料は個人が支払うべきものとされ、支払った場合は贈与となる。香典を企業が受け取った場合には雑収入に計上する。
舎利 (しゃり) 火葬などにして、後に残った骨。
終活 (しゅうかつ)
人生の終焉を迎えるための活動の略。人間が自らの死を意識して、人生の最期を迎えるための様々な準備や、そこに向けた人生の総括を意味する言葉。
収骨 (しゅうこつ)
火葬後の遺骨を箸で拾い骨壷に納める儀式。骨上げともいう。
宗旨 (しゅうし)
宗教の教義のこと。
出棺 (しゅっかん)
火葬場に向けて柩が出立すること。
授戒 (じゅかい)
仏門に入る者に、仏弟子としての戒を授けること。
数珠 (じゅず)
一般的に仏教で用いられる法具。球の数は108個が基本で、人間の百八の煩悩を表している。宗旨宗派、男女によって様々な種類がある。
修祓 (しゅばつ)
神に祈り、罪・穢れ・災いなどを取り去るために行う儀式のこと。祓(はら)いともいう。
樹木葬 (じゅもくそう)
雑木材の保護などを目的とした自然共生型墓地。直接地面を掘り、遺骨を埋めた後、土を被せ、埋骨位置に花木を植える。
頌栄 (しょうえい)
プロテスタントの讃美歌のひとつで、神を讃える歌。
焼香 (しょうこう)
香を炊いて仏に手向けること。香は仏の食物ということで仏教の法要で仏を供養する際に用いる。抹香を使う場合と線香を使う場合とがある。浄土真宗では死者の供養ではなく、自らを清めるために行うので、抹香では額にいただくことや、線香を立てることはしない。回数や本数は宗派により異なり1~3回。香は仏教に限らず、カトリックでも焼香が行われる。
荘厳 (しょうごん)
霊前に整えて飾ること。
精進落し (しょうじんおとし)
本来、遺族は忌中の間は肉食を断って精進料理をとることになっており、忌明けになって精進料理以外を口にすることを精進落としとしていた。現在では葬儀のあとに、お世話になった方の労をねぎらい、感謝するための宴を精進落としとしている。
祥月命日 (しょうつきめいにち) 一周忌以降の故人の死んだ月日と同じ月日。
浄土宗 (じょうどしゅう) 本 尊…阿弥陀如来
宗 祖…法 然
本 山…知恩院・光明寺・禅林寺・誓願寺(京都)
浄土真宗 (じょうどしんしゅう) 本 尊…阿弥陀如来
宗 祖…親 鸞(しんらん)
本 山…本願寺(京都)
成仏 (じょうぶつ)
悟りを開き仏になること。
精霊棚 (しょうりょうだな)
お盆のとき、ご先祖の霊を迎えるための供物を飾る棚。
除籍謄本 (じょせきとうほん)
死亡などで戸籍から氏名を除いたことを証明する謄本。
初七日 (しょなのか)
亡くなった当日を加え7日目に営まれる法事。現在は葬儀終了後に日程を繰り上げて行うことが一般化している。
真言宗 (しんごんしゅう) 本 尊…大日如来
宗 祖…空 海(弘法大師)
本 山…仁和寺、大覚寺、醍醐寺、知積院(京都)、金剛峰寺(和歌山)、長谷寺(奈良)
寝台車 (しんだいしゃ)
通常は病人や、高齢者をストレッチャーに乗せ移送できる車のことであるが、葬儀では病院等で亡くなった場合に、自宅等に移送することを主たる目的とした車。式場や、火葬場への移送にも使用する。通常の寝台車は旅客運送用、死後用いるのは貨物運送用で霊柩車に分類される。
神道 (しんとう)
日本固有の民族信仰。古来の自然観に基づき、神への尊崇を中心に形成されている。
頭陀袋 (ずだぶくろ)
僧が経巻・仏具・布施などを入れて首にかけて持ち歩く袋。死者の首にかけて仏道修行の旅に出ることを模している。頭陀袋の中には、紙に印刷した六文銭を入れる。
生花祭壇 (せいかさいだん)
生花が主になった祭壇のこと。生花だけで祭壇を構成する場合と、生花と白木祭壇とを組み合わせて使うこともある。キリスト教や無宗教式に限らず様々な宗教で使用される。
聖餐式 (せいさんしき)
プロテスタントで、イエス・キリストの血と肉を象徴するパンとぶどう酒を、死期の迫った信徒に牧師が分け与え、聖書を朗読し、安らかに召天される様祈る儀式。
清拭 (せいしき)
身体を拭き清浄すること。
生饌 (せいせん)
神道で神前に供える食べ物(饌)のうち、洗米など未調理の食べ物のこと。
生前予約 (せいぜんよやく)
自分の葬儀の内容や費用などに関して生前に予約すること。近年、自分の最後は自分らしく、 残された家族に迷惑をかけたくない。といった風潮から増加傾向にある。終活の一環。
聖体拝受 (せいたいはいじゅ)
カトリックで、キリストの血と肉を象徴するぶどう酒とパンを神父が信徒に与える儀式。
施餓鬼 (せがき)
飢餓に苦しみ災いをもたらす鬼や無縁の亡者に供物を施す法会。
施行 (せこう)
葬儀を執り行うこと。祭壇・棺などの必要な物品の提供だけでなく、葬儀の企画・運営・進行・管理などの役務(人的サービス)を伴って行われる。
施主 (せしゅ)
葬儀の運営や費用の支払いについて責任をもつ者。通常は喪主とイコールであるが、社葬などの場合には、社葬を主催する企業(の代表者)が施主となり、
遺族の代表者が喪主と区別されるケースもある。また喪主が未成年の場合、あるいは高齢者の場合、施主を別に立てることもある。
前夜式 (ぜんやしき)
キリスト教の葬儀における通夜の儀式。
遷霊祭 (せんれいさい)
神道における、故人の霊を遺体から霊璽(れいじ)に移す儀式。
葬儀 (そうぎ)
葬送儀礼の略。看取り・納棺・通夜・葬儀・告別式・火葬・納骨・四十九日などと続く、葬儀前から葬儀後に続く一連の死者を葬る作業。
葬儀告別式 (そうぎこくべつしき)
葬儀は遺族や親近者によって営まれる儀式で、告別式は故人の友人や知人がお別れをする儀式。近年では二つの式をひとつの流れの中で1時間程度で行うことが一般的。
葬儀式 (そうぎしき)
死者を死後の世界に送るために営まれる儀式。宗教的な儀礼を伴って行われることが多い。現在では告別式と同時並行的に進行する形が多い。
葬儀社 (そうぎしゃ)
葬儀サービスを提供する事業者のこと。狭義には専門業者をいうが、広義には、葬儀を取り扱う業者全般に対して使われる。
葬具 (そうぐ)
一般的には葬式を行うのに用いる道具のこと。かつては葬列に用いた道具(野道具と言った)を指した。野道具が変形したもの、仏具に起源をもつものがある。葬具の特徴は金具を用いず、白木の木工製品か紙製品であること。葬儀は臨時の祭ということからそのルーツがある。
喪家 (そうけ) 死者を出した家族のこと。
西日本では「もけ」と読まれ、関東では「葬家」と書き「そうけ」と読まれる。古くは儒教で「喪(そう)のある家」を意味し「そうか」と読んだが現在では用いない。
葬祭業者 (そうさいぎょうしゃ)
葬式を執り行うサービスを提供する業者のこと。
葬祭ディレクター (そうさいでぃれくたー)
葬祭業界に働く人に必要な知識と技能のレベルを示す称号。厚生労働大臣が認定する技能審査に合格することにより認定される。
葬場祭 (そうじょうさい)
神道における、故人に最後の別れを告げる儀式。
曹洞宗 (そうとうしゅう) 本 尊…釈迦牟尼如来
宗 祖…道元と瑩山
本 山…永平寺(福井県)、総持寺(神奈川県横浜市)
葬列 (そうれつ)
列を組んで遺体を火葬場または墓地に運ぶこと。運搬機能としては霊柩車に代替され、死の告知・告別という機能としては告別式に代替された。告別式に中心の座を譲る以前には、葬列は葬式のメインイベントであった。
即日返し (そくじつがえし)
葬儀当日にする香典返しのこと。
粗供養 (そくよう)
会葬礼状に添えて渡す品物。
卒塔婆 (そとば)
彼岸や命日などに、墓に立てる6尺から8尺の板牌。
祖霊 (それい)
神道における先祖の霊。
祖霊祭 (それいさい)
神道における、十年おきに五十年祭まで祖霊(先祖の御霊)をお祭りすること。
祖霊舎 (それいしゃ)
神道における、先祖代々の霊をあわせてまつるところ。
尊厳死 (そんげんし)
人間の終末にあたり尊厳をもって死を迎えること。生前に尊厳死の意思表示しておく。有効な治療回復の手立てがないとき、本人の生活の質を無視して延命治療するのではなく、痛み緩和の手立ては取るものの、できるだけ自然な死を選択すること。
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